投資戦略

アマゾンの成功にはジェフ・ベゾスの狂気が源泉にある

投稿日:2017年12月15日 更新日:

本記事では、私のポートフォリオの約4割を占めるアマゾン・ドット・コムについて説明してみます。

4割も突っ込んでいるため、当然、私はアマゾンの成長を確信しているわけですが、その理由としては、アマゾンのビジネスモデルや、ハイテク分野での野心などの点などの理由もありますが、まず第一にジェフ・ベゾスが経営に携わっているというのが最大の理由になります。

アマゾンのビジネスモデルや、今後の成長戦略については今後の記事に譲るとして、まずは以下の書籍で紹介されているアマゾンのCEOジェフ・ベゾスの人間性について紹介いていきます。

夢想するジェフ・ベゾス

インターネットを使いエブリシング・ストアを目指す

前職のヘッジファンドであるD・E・ショーにおいて、ベゾスはアマゾンの基礎となるアイディアを考えつきました。

それが、インターネット経由であらゆる物を無限に販売するエブリシング・ストアです。

その後、ベゾスはアマゾンをウェブ書店としてスタートさせました。

しかし、これはあくまでその当時の書店小売の参入障壁が低く、与し易いと判断したためであり、現在のアマゾンのような「エブリシング・ストア」の形態は今から20年前の1995年の段階からベゾスの頭には存在していたのでした。

将来の夢は宇宙飛行士だった

ベゾスの将来の夢は宇宙飛行士でした。しかし、現在は当然ながら宇宙飛行士は目指していませんが、別の方法で宇宙との繋がりを持とうとしています。

2000年、ベゾスはブルーオリジンという宇宙探索の会社を密かに立ち上げ、活動を開始しました。ベゾスはブルーオリジンについて多くは語りません。しかし、このブルーオリジンの立ち上げはイーロン・マスクがスペースXを立ち上げる2年以上も前のことです。

このような行動からもわかるように、ベズスは短期的な損得で行動する経営者ではありません。自身の信念に従い長期的な視点で事業に取り組む経営者なのです。

ベゾスは現在でも毎週水曜日はブルーオリジンの仕事をしているそうです。

エブリデー・ロー・プライスも目指す

ある時、ベゾスはアマゾンの価格戦略の一貫性のなさに気づきます。

そこで、ベゾスはウォルマートやコストコに倣い、アマゾンもエブリデー・ロー・プライスを目指すべきと宣言します。大手小売店の価格を常にチェックし、その最低価格に合わせた値付けを行います。

そのために、自動で値付けを変更できるようなアルゴリズムまで開発し、競争力のある価格を提供し続けることで、エブリシング・ストアの実現に近づけようとするのです。

ベズスは常に顧客のことを第一に考えています。無限の品揃えも、エブリデー・ロー・プライスも顧客を思ってこその戦略です。

しかし、この戦略は社内、及び社外を巻き込んでの大きなトラブルを引き起こす原因にもなりました。

小売業ではなく、テクノロジー企業を目指す

アマゾンが設立してから20年が立っています。

今でこそ、アマゾンはどう見てもテクノロジー企業ですが、AWSを始める前の設立10年目くらいまではどこからどう見ても小売業のアマゾンでした。

しかし、ベゾスは最初からアマゾンを小売業としてではなく、テクノロジー企業として捉えていました。そのために莫大な投資もし続けました。

ベゾスの粘り強さがあるからこそ、アマゾンは自他共に認めるテクノロジー企業として今日の成長を実現することができたと考えます。

貪欲なジェフ・ベゾス

誰からでも学ぶ

ベゾスは、常に誰からでも学ぼうとし、実際に様々なことを学びました。この学ぶ姿勢があるからこそ、ベゾスは時代の変化に対応でき、ドットコムバブルを生き残ることができたといっても過言ではありません。

ベゾスはコストコの創業者との対話の中で会員に対し優れた価値を提供することで、ロイヤリティを高めるコストコの戦略を学びました。ベゾスはその対話の後、すぐにアマゾンプライムを立ち上げました。

アマゾンプライムは当初、アマゾン社内の評価は散々でしたが、結果的にはプライム会員は通常の会員の2,3倍の買い物を行うようになり、併売による物流効率も向上するなど、大成功となりました。

また、ベゾスは、技術系出版社のオライリー社の創業者オライリーからもビジネスのヒントを得ています。

アマゾンが成長し、ビッグデータの塊となっていた時、アマゾンにオライリーが来訪し、アマゾンで集めた商品データや売れ行きなどのランキングデータをAPIとして外部に解放するべきだという進言を受けます。

ベゾスはそれを一蹴する訳でもなく、アマゾンの社内の資源のAPI化を進めました。この取り組みがきっかけとなり、現在のドル箱事業のAWS誕生の布石となったわけです。

さらにアマゾンは、故スティーブジョブスからも学びを得ています。

スティーブ・ジョブスはiphoneを世に送り出し、イノベーションを起こしました。しかし、iphoneの価格は高すぎており、模倣すれば誰でも儲かるマーケットになっていました。その結果、スマートフォン事業はgoogleのandroidや他メーカーなどの競争が激化したとベゾスは分析しています。

この教訓を活かし、ベゾスは電子書籍リーダーkindleを世に出す際、圧倒的な低価格戦略を取っています。キンドル自体の安さもありますが、電子書籍自体が一律9.99$という業界の常識を超えた価格破壊により、参入障壁を築きました。

読書家

さらに、ベゾスは無類の本好きで、読書からも様々なことを学んでいます。そして、アマゾン幹部の読書会を開き、本で得た知見をどのようにビジネスに生かそうかを日々検討しています。

「私のウォルマート商法」からはアマゾンの企業価値に組み込まれている「倹約」と「行動主義」の2つを学んでいます。

「ブラックスワン(タレブ著)」からは講釈の謝りに陥らないためには物語や記憶より試行錯誤や現実に即した判断が重要であることを学んでおり、今でもベゾスの行動原理として定着しています。

「ザ・ゴール」はアマゾンが急拡大する中で物流センターが滅茶苦茶になり、再編を余儀なくされていた際に、バイブルとなった書籍です。

「イノベーションのジレンマ」はアマゾンが小売業からテクノロジー企業に脱皮するためにAWSを世に生み出す際に、既存事業と新規事業のジレンマとそれを乗り越えるための組織の分離などを学び、着実に実行した結果、今の成功があります。

以上は、一例ではあるものの、ベゾスが積極的に読書から学び取ったものをビジネスに応用し続けることで、成果を上げてきたことがわかります。

また、ベゾス個人も、マイクロソフトのビルゲイツに倣い、年に数週間の「思索と読書の期間」という習慣を取り入れており、日常から離れて、じっくりと一人で考える時間を取っている。

冷徹なジェフ・ベゾス

義理と情で判断しないジェフ・ベゾス

ベゾスは義理と人情でナアナアな関係で物事を判断することはありません。

部下がまともに回答できなかった時、言い逃れをした時、誰かの成果を横取りしようとした時、政治的な発言をした時、議論であやふやや頼りないことを言った時、ベゾスはブチ切れます。

「悪いんだけど、今日、ちゃんとアホ薬を飲んだかどうか教えてくれないか?」

「この問題について君の口を閉じさせるには、この会社のCEOは僕だという証明書をどこかから貰ってこないといかんのか?」

「手を出しもしなかったことを自分の手柄にしようというのか?」

「君はものぐさなのか?それとも単に無能なだけか?」

「世界的な業務を任せたのに、君はまた僕をがっかりさせるのか」

「そんなアイディアをまた聞かされるのなら、首をくくらなきゃいけないな」

「僕の人生を滅茶苦茶にしないでくれよ」

(サプライチェーンチームの事業計画を聞いた後)「来年、サプライチェーンは面白いことをする予定がないらしいな」

(提案書を読んだ後)「これはどう見てもBチームが書いたものだな。誰かAチームが書いたものを持ってきてくれないか。Bチームが書いた文章で時間を無駄にしたくないんだ」

上記はベゾス語録です。まさにパワハラ系オーナー社長の典型ですね。株主としては頼もしいですが、絶対に自分で働きたくはないです。

ワークライフハーモニー

ベゾスはワークライフバランスは不要だと考えています。

創業初期は、社員からバスの定期券を補助すべきだという上申を受け、却下しています。

その理由として、「バスの時間を気にしながら仕事をして欲しくない」という理由です。つまり、時間を気にせず働きまくれということです。

ベゾスは、仕事と生活を溶け込ませ、働きまくることで人生を充実させるワークライフハーモニーという概念を提唱しています。

しかし、アマゾンは倹約というポリシーも持っているため、給料は決して高い水準ではありません。ベゾスでする年収800万程度だそうです。ブラックですね。

このように、前述の徹底的に厳しいジェフベゾスと、限界まで働くことを良しとするアマゾンの社風から、創業メンバーはベゾスを除いて全員が自主退職済みです。

創業メンバーだけでなく、アマゾンはマイクロソフト、yahoo、Google、ウォルマートなどから優秀な人材をリクルートしては、数年で燃え尽きて去っていくというスタイルで経営を維持しています。

買収する獲物を見つけたら必ず買収する。しかも徹底的に安く買う。

アマゾンにおけるEC系の買収の例として、靴をインターネット販売するザッポスとベビー用品などを販売するクイッドシーの2つがあります。

アマゾンは1000億ドル企業を目指す上で、商品カテゴリをさらに広げ、最終的には一般消費財や生鮮食品にまで広げることが必要であると結論づけました。しかし、アパレルや靴、生鮮食品などは流通の仕組みが少し特殊で、経験がない中で開拓していくのではなく、成功している企業を買収する道を模索するようになります。そのターゲットとなったのがザッポスとクイッドシーです。

アマゾンの買収戦略は、最初は通常のオファーで交渉を開始します。(ただし、アマゾンは基本的に格安のオファーしか出しません)

当然、各社はオファーを断ります。すると、アマゾンは新しいECサイトを立ち上げ、競合となる商品を売るようになります。しかも、靴ならザッポス、ベビー用品ならクイッドシーとターゲットを定め、ザッポスとクイッドシーの価格よりも低い価格で自動的に売るような仕組みで、圧力をかけます。

アマゾンは敵を苦しめるためなら、湯水のように資金を投入するドS思考の企業のため、クイッドシーを苦しめるために、紙おむつを売れば売るほど赤字になるような価格で売り、3ヶ月で1億ドル以上の赤字を計上しました。

この戦術により、ザッポスとクイッドシーの売上はガタ落ちです。アマゾンも上述の通り大赤字ですが、ザッポスとクイッドシーには耐えられなくてもドMでもあるアマゾンは耐えられてしまいます。

このような卑劣な戦術により、アマゾンはザッポスとクイッドシーを限界まで追い詰め、安値で買収することに成功しています。

弱った出版社に徹底的に圧力をかけるガゼルプロジェクト

アマゾンは市場を徐々に支配していき、出版社にも影響を与える存在になってきます。

そうなると当然、買い手の交渉力が上がるため、有利な条件で書籍を下ろすように出版社と交渉するようになります。

アマゾンのこの場合の交渉は「脅し」です。弱ったガゼルをチーターが追い回すように、アマゾンは徹底的に出版社を絞り上げます。

脅しの手段はいたってシンプルです。「この条件を飲まなければ、アマゾンのレコメンドシステムから外す。または、他社の競合製品をレコメンドする」と言うのです。

しかし、最初は出版社は全くピンときていないようで、実際にアマゾンはこの脅しを実行します。すると1ヶ月も経たないうちに、アマゾンからの売上が40%以上減るのです。慌てて出版社はアマゾンに泣きつき、泣く泣くアマゾンの条件を飲むことになります。

最近だと、LINE クローバーに同じようなことをやりましたね。

ここまでくるとほとんどヤ○ザです。

まとめ

だらだらと書いたら長くなりましたが、結局何が言いたいかと言うと、アマゾンと言う企業はジェフ・ベゾスの狂気から成り立っている会社なので、ベゾスがいる限りは成長し続けると言うことです。

ここまで顧客第一で、顧客のためなら手段を選ばずに、ほとんどヤ○ザのようなことを正々堂々と行うアマゾンは、従業員や業界から見たら狂っているように見えても、顧客や株主から見れば頼もしい存在です。

 

 

 

 







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