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Nvidiaが唯一にして最強である3つの理由

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ここ数日ハイテク株が軟調です。特にNVDAは一時7%安と原因不明の大暴落を記録しました。

しかし、私はこのタイミングでNVDAを利確するのではなく、少し買い増しをしました。それはNVDAの将来性に確信を持っているからです。

読者の皆さんは、たかだか半導体屋のNvidiaが何故、近年ここまで成長できたか不思議に思ったことはないでしょうか?

半導体だったらIntelなどもいますし、GPUの競合としてはAMDもいます。それにもかかわらずNvidiaは事業の成長で他を圧倒しています。

本記事では、Nvidiaが急成長している理由、今後の成長性について考えていきます。

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AIの学習には莫大な計算資源が不可欠。そこで現れた救世主がGPUの汎用演算活用

他の記事でも散々触れていますので、これからはAIがビジネスに日常的に使われるようになり、そのために多大な計算資源が必要になる点についてはここでは深く触れません。

まず、大前提として、コンピューターの計算資源といえばCPUとGPUの二種類があります。

CPUは複雑な処理を高速で処理することが得意で、コンピューターで操作する様々な演算を実行しています。

一方でGPUはグラフィック・プロセッサー・ユニットなので画像処理専用のチップで、単純な作業を並列処理することが得意なチップです。画像処理と聞くと一見、複雑な計算処理のように聞こえますが、画像とは縦と横の座標に色データ(RGB)を含んだ超単純な構造を持つデータです。この様なデータは、CPUの様にデータを先頭から順番に処理するよりも、GPUで一気に並列処理した方が早いため、GPUは並列演算処理に特化する形で進化を遂げてきました。

Nvidiaは古くからゲームのグラフィック処理用にGPUを開発してきた会社です。Nvidiaはひたすら画像処理用にGPU性能を上げ続け、GPUを極めきったところでついにGPUの画像以外の利用用途を模索し始めます。

そこで生まれたのがNvidiaが2007年に発明したした汎用GPUであるGPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)という技術です。このGPGPU技術がAI発展の救世主になることがわかり、Nvidiaの近年の快進撃が始まりました。

Nvidiaが最強である3つの理由

理由1.NvidiaのGPUが凄いのではなく、CUDAがヤバいのである

GPGPU技術により、CPUでやっていたAI学習時間は10分の1以下に短縮することができる様になりました。CPUだけでやったら1ヶ月以上かかる学習が、数時間で終わるなど、その効果は絶大です。

しかし、このGPGPU技術というのは実はかなり曲者なのです。

もともとGPUは画像処理専門で作られた並列演算機のため基本的にそれ以外の数値計算は受け付けません。単純にGPUを積んで数値計算のデータを渡したところで「なにそれ?美味しいの?」状態です。

そこでNvidiaは数値演算も処理できる様にする仕組みを開発しました。それがCUDA(Compute Unified Device Architecture:クーダ)です。

このCUDAを使用することで、誰でもGPUに簡単にアクセスでき、画像処理以外の演算処理にGPU資源を使うことができる様になりました。

そして、このCUDAはNvidiaのGPUに最適化されており、NvidiaのGPU性能を限界まで引き出すことができます。CUDAと同様の仕組みをAMDなども後発で開発したりしていますが、現状、NvidiaのGPU+CUDAの組み合わせがパフォーマンス面でも利用者数面でも不動の地位を築いています。

この様な背景があり、AI用GPUといえばNvidiaがデファクトスタンダードとなりつつあります。単純なGPU性能だけで言えば似た様な性能競争になり消耗戦と捉えられなくもないですが、AI用事業では現時点でCUDAが一つのワイドモートなっているのは間違いありません。

理由2.GPGPUの先行者優位を活かしデータセンター事業が急速に拡大

理由1で述べた通り、正直AI用途のGPUはNvidia一強状態が続いています。AI用途でGPUを使おうとした場合、わざわざ他の選択肢を比較する理由がないくらい他を圧倒しているのです。

そうなると当然、AIをこれから全世界的に加速させていく上で必要となるデータセンターに対してもNvidiaのGPUがドカドカ入っていきます。データセンター事業者はパッと上げるだけでもAmazon,マイクロソフト、Googleなど主要などのデータセンターが世界中に存在するのです。

そこに1枚100万円くらいするNvidiaのAI用GPUがドカドカ入ります。GPUはサーバー1台に対し1枚刺すものだけではありません。上記データセンターサービスでは最大で4枚刺しのサーバーも用意しています。想像しただけでもむちゃくちゃ儲かります。

当然、NvidiaのCEOは抜け目ないので、この好機を見逃しません。CUDAがまだ優位性を持っているこのチャンスに一気にAIデータセンター用GPUを制覇しようと事業を急加速しようとしています。

以下は、ZDNet Japan 2017.11.13の記事より引用です。

NVIDIAの最高経営責任者(CEO)、Jensen Huang氏は、「Volta」プラットフォームを土台としたデータセンター事業の強化は始まったばかりと述べている。

 「この四半期、われわれはVoltaを大きく強化するようになっており、取り組みはその前の四半期に始まっていた。それ以来、Amazon、Microsoft、Google、百度(バイドゥ)、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)、最近ではOracleなど、主要なクラウド事業者全てがVoltaのサポートを表明している。われわれは企業が社内や、外部向けのパブリッククラウドサービスで行う深層学習のためにVoltaを提供する」とHuang氏は述べている。また、「われわれはさらに、世界の主要なサーバコンピュータメーカーもVoltaをサポートしており、Voltaを市場で展開する準備を進めていることを発表した」と続けている。

ZDNet Japan,2017.11.13,「NVIDIA、データセンター向け事業が急成長--年間20億ドルに達する勢い」より

理由3.自動運転技術のキャスティングボードを握りつつある

NvidiaはただのGPU屋ではありませんでした。このチャンスを活かしさらなる攻めとして、自動運転用GPUに目をつけました。

自動運転技術の肝はディープラーニングによる物体識別とSLAM技術という自己地図生成です。どちらも車載カメラ映像をリアルタイムで高速処理が必要で、こちらも膨大な計算資源が必要となります。

現在、Nvidiaはベンツ、BMW、TESLAやホンダなどとパートナーとなっています。仮にこれらのメーカーの自動運転車にNvidiaのGPUが採用されれば、何万、何百万台のGPUが売れます。これも考えただけで死ぬほど儲かりますね。

そして何よりNvidiaはこの自動運転用GPUのトップグループのかなり前の方にいます。

2017年10月にNvidiaは『DRIVE PX Pegasus』というSoCを発表しています。(SoCはGPUとその他の基盤が一体となった製品)

この『DRIVE PX Pegasus』は従来品の約13倍の性能であり、完全自動運転と言われる自動運転レベル5相当の演算処理能力を持っている化け物じみたGPU製品です。

現在、市販されている自動運転車のレベルはレベル2(部分自動運転)であり、Audiが2018年に世界で初めてレベル3(条件付き自動運転)に対応した車を発売することを発表しています。一部メディアによると2020年にはレベル4(高度自動運転)が実現するとも言われています。

そんな状況の中でNvidiaはレベル5いけまっせ、と言っているのです。

以上の理由から、これからの自動運転開発競争の中心人物として、Nvidiaはかなり重要なポジションを担う可能性が高いと考えており、今後の成長を期待しています。

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Nvidiaが真に恐るべきリスク

Nvidiaは現状のCUDAによるGPGPUの競争優位性に胡座をかくことなく、着々と先行優位性を活かしてデータセンター事業や自動運転事業での成果や実績を積み重ねています。

この流れはNvidiaがこのままの戦略を撮り続ける限り、AMDやIntelが追いつくことは無いでしょう。一方で、それ以外のリスクが可能性として2つあります。NVDA保有者はそのリスクについて認識し、世の中の動向を注視していく必要があります。

1.GPGPUと別の方式の計算資源が発見された時

現在のGPGPUに取って代わる別の方式の計算資源が出てきたとき、Nvidiaのワイド・モートが崩れるため注意が必要です。

今年に入り、Googleが深層学習専用プロセッサーであるTPUを開発中らしく、GPU性能の10倍以上を記録したと発表しています。

しかし、どうやらこのTPUはAIの学習用途ではなく、その後の推論専用のプロセッサーらしく、Nvidiaが得意とするGPGPUにそのまま取って代わる代物ではなさそうです。

また、マイクロソフトやIntelが力を入れるFPGAという方式もあることにはありますが、強みとなる特性が異なるため、GPUの全てが代替される様なことは今のところないでしょう。省電力であったり性能面で優位性がある可能性が示唆されていますが、ソフトウェアを書き換えることで気軽に試行錯誤できるGPUの方がAI用途には今のところ適している様に思います。

とはいえ、この辺りの技術進展は何が起こるかわからないため、注視が必要です。

2.ディープラーニングのアルゴリズムが改良され、劇的に学習効率が高まった時

これも1,2年は大丈夫だと考えられるリスクですが、今後AIの学習アルゴリズムが改良されることで、より少ない計算資源で学習が可能になる可能性があります。

したがって、学習アルゴリズムの進化についてもウォッチしておくことが必要となります。

まとめ

Nvidiaが今の経営戦略を貫き続ける限りIntelとAMDがNvidiaに追いつくことはありません。

あとはNvidiaが自動運転を成功させるか、技術のパラダイムが大きく変わりGPUが不要になるかのスピード勝負と考えます。

今はハイテク株中心に調整局面に入っていますが、今回の暴落もNvidia自体に原因があるわけではないため、そのうちまた上昇が始まっていくと予想しています。







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