個別株レビュー

NVDAが自動運転産業で無双する理由

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私の主力持ち株の一つであるエヌビディア(NVDA)について述べていきます。

NVDAはGPU屋さんでディープラーニング需要を追い風に急成長を遂げている企業です。また、一方で自動運転領域でも期待が大きい企業です。

以下の前回の記事ではNVDAのGPU屋さんとしての側面に着目しましたが、今回は後者の自動運転に着目し紹介していきます。

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自動運転の市場性と技術マイルストン

下図に2017年1月に矢野経済研究所が調査した、自動運転車の市場予測データを示します。

下記調査は1年前のものですが、その後、1年の間でアウディがレベル3自動運転車を2018年に発売する噂がでるなど、実際は少し早まっている印象です。

予想では、レベル3以上の自動運転車が2025年で600万台超、2030年で2000万台超が世界に出回るとしています。

いずれにしても自動運転車という市場全体は2030年までに2015年時点で台数ベースで6倍以上の規模に成長する可能性のある産業だということがわかります。

自動運転を実現するための2つのポイント

大手自動車メーカーが自動運転車を開発する際に問題になるポイントが2つあります。

NVDAはこの2つの課題に対してソリューションを有しているため、大手メーカーはこぞってNVDAと提携しようとしているのです。

1.高速走行に耐えうるGPUのリアルタイム処理性能

当たり前の話ですが、車は高速で走行しているため、自動制御するためには高速走行においてリアルタイムで推論処理できる性能が必要になります。

例えば画像処理で言えば72km/hで走る車は1秒間に2メートル分画像が動くわけで、10FPS(1秒間に10フレーム)程度で処理したとしても0.1秒で20cmは物体が動いてしまいます。

AIが気づいた時には事故ってたという悪夢を引き起こさないためには、車側でのリアルタイム処理性能は高めるだけ高めておく必要があるでしょう。その点、NVDAはお化けのような処理性能のGPU基盤を提供しているため、他のチップメーカーと比べても一歩リードしている状況です。

2.精度を高めるための学習量と質の確保

AIはただ持っていてもたかだか数式で、GPUはただ持っていても計算機にしかすぎません。

したがって自動運転を成功させるためには、AIに莫大な量の映像を学習させなければいけません。

この学習コストがバカにならず、各社はクローズドな環境で自動運転車をぐるぐる回したり、公道に出てぐるぐる回したりしながら学習データを集めています。

そしてこの学習データは、風景画像をただ突っ込めばいいというわけではないというのがポイントです。

自動運転で高速処理する問題は下記動画のようなセグメンテーションの問題です。下記の動画は、画像を判別することで車や人、道路、木など適切なセグメンテーションを行うAIの推論結果のデモです。

このように、正しく推論できるAIを育てるためには、当然ですが一つの風景画像に、正しい教師ラベルがついたデータをセットで覚えさせる必要があります。

つまり、1枚の画像に、この部分が車、ここは人、ここからここまでが道路、とピクセル単位で指定したデータを画像データとセットでAIに食わせるわけです。この教師画像作りを含めた学習コストが如何に絶望的に時間とコストがかかるか想像できると思います。

NVDAのヤバい技術力

NVDAはGPU屋さんですが、近年は自社でAIエンジニアを抱え込み、積極的に新しいアルゴリズムの提案をし続けています。

特に注力している技術はディープラーニングを用いた「GANs」という技術です。

GANsは、「生成能力のある敵対的ネットワーク(generative adversarial networks, GANs)」が正式名称で、ざっくりいうと学習した特徴量を組み合わせて、新しい画像を生成するディープラーニングモデルです。

近年話題になったテーマでいうと、「線画に着色するモデル」、「有名人同士の顔を合成するモデル」、「ピカソの絵を覚えさせて、新作を作らせるモデル」など色々な活用のされ方で話題になった技術です。

「任意の画像から2048×1024高解像度の画像合成モデルを生成できる手法」
High-Resolution Image Synthesis and Semantic Manipulation with Conditional GANs

NVDAはGANsに関する最新の論文を2017年12月に公開しました。

この技術は、任意の画像を投げ込むと、教師ラベルデータに変換された後、そのラベルを編集して様々な画像を生成できるというモデルです。

この説明だと全くピンとこないと思うため、具体的なイメージを見てみます。

例えば自動運転でAIを学習させる1シーンとして以下のような風景画像があったとします。右の画像が元画像で左の画像がラベルづけされた画像データです。

今回、NVDAの技術を使って画像を生成すると以下のような画像が簡単に作れます。

上記の生成された写真には2つの変化がみられます。

  • 構図が変わらない物体(例えばラベルcar等)は、教師ラベル自体を変更せずに色々な種類、色の車に置き換えることができる
  • ラベルデータを編集することで構図自体を変えることができる。(例えば背景のTreeをbulidingに変更することで街中の写真に変更している。)

この技術の素晴らしい点は、たった1シーンの画像から様々なシーンの画像が自然に生成できることです。昼間、夜、雨の日、晴れの日など、様々な環境変化の画像を簡単に生成することができます。ほとんど無限の組み合わせがある車の組み合わせや、環境変化の組み合わせをコンピューター上の生成モデルで簡単に生成できるため、時間を惜しむ自動車メーカーは喉から手が出るほど欲しい技術というわけです。

【参考】NVDAの公式解説ビデオ

NVDAのこれからの戦術

ここからは私の仮説を示します。

NVDAはこの技術力とGPU性能を武器に自動運転市場のデファクトスタンダードとして君臨することにナルト考えています。

そのシナリオは以下のようになると予想しており、実現できれば無限に儲かるビジネススキームに成長すると考えています。

現状、競合を見渡しても、GPUハードウェアと生成技術などのAI技術を兼ねそなえる企業はNVDAのみであり、ほとんど独走状態です。このまま行けば上記のスキームは早々に自動運転産業のデファクトスタンダード化する可能性があります。

最近ではUBERが公道実験中の死亡事故により自動運転のリスクが注目されています。しかし、UBERの公道実験によるリスクも長期的にはNVDAに追い風に働く気がしています。

何故ならば、企業はヒトの命や安全には過剰なまでに品質を追い求め、湯水のごとく金を投じるからです。

自動運転を安全、安心にするためには学習データの量を増やし、大量に学習させること以外には方法がないため、自ずとNVDAの画像生成技術は重要な意味を持つようになり、NVDAのGPUデータセンター事業を大成功に導くと考えられます。







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