本記事ではあまり知られていない画像認識分野のパイオニアであるコグネックスコーポレーションについて紹介します。
インダストリー4.0の時代の流れに乗り、今後も成長が期待できる優良企業です。
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コグネックスの事業内容
コグネックスはマシンビジョンを用いたコンピュータによる画像計測処理装置およびそれを組み込んだ各種外観検査機器、表面検査装置の販売、サービス業務を行う企業です。
文京区に日本法人があり、米コグネックスの製品を輸入し、販売しています。
主力製品は、画像識別方式のバーコードリーダーです。
コグネックス株式会社は、マサチューセッツ工科大学で視覚心理を教えるDr. Robert J. Shillman (ロバート・シルマン博士) が1981年に創立しました。社名の由来は「Cognition Experts(画像認識のエキスパート)」からコグネックスと命名されています。
したがって、画像認識領域に強みを持って創業され、実際に世界初の工業用文字認識(OCR)システムを開発しています。
コグネックスは、マシンビジョン領域の最も古い企業の一つであり、ロボットの目として緩やかに成長を期待されてきました。
現在の主力製品は画像識別型のバーコードリーダーです。画像識別であるため、広角で物体を認識し、その中に映り込むバーコードを読み取ることができます。特筆する点は、バーコード画像のヨレや歪みを補正する技術を持っており、高速で識別率が高いバーコードリーダーは工業用のベルトコンベアでの物体認識などに活用されています。
コグネックスの業績と経営
コグネックスは世界70以上の拠点で1500名の社員が働いています。
コグネックスの製品を利用する顧客数は4000社を超え、販売パートナーも500社以上と安定した販売網を確立しています。
コグネックスの経営で特徴的なのは、研究開発主導型の経営という点です。
売上の12%をR&Dに費やし、社員の1/4がエンジニアで、エンジニアの1/3が修士、または博士号を有しています。
EC市場の成長と倉庫の機械化の進展が追い風
EC市場の成長を背景に、物流倉庫は大規模化しています。また、物流倉庫の着工件数は日本市場だけを見ても堅調で、今後も発展していくことが予想されます。
製造業ではトヨタなどを筆頭に、EC事業者では米アマゾン、日本ではニトリ、アスクルなどが工場や倉庫などの機械化には積極的に取り組んでおり、今後もこの流れはどんどん加速していくでしょう。
ドイツのインダストリー4.0のようなコンセプトからもわかるように工場内の物は全てデータで管理され、人ではなくロボットが自動的に製造や物流を担う存在に成長することが期待されています。
その期待をど真ん中で受けているのがディープラーニング技術であり、AIによる画像認識が注目を浴びていますが、学習コストが高く、ECなどの何千、何万の商品に対応可能な画像認識精度に到達するには、あと何回かブレークスルーが必要です。
そこで精度とスピードを担保できるのがバーコード認識であり、コグネックスには先行者としての優位性があります。
コグネックスのファンダメンタルズ
売上と利益を見て見ますと、売上は右肩上がりです。
利益はまちまちですが、利益率が高そうです。
次にEPSとコンセンサスです。
常に市場のコンセンサスを上回る成績を上げており良好です。
2017年3QのEPS期待値が大きく次のコンセンサスを上回れるかが注目されます。
営業キャッシュフローマージンは35%オーバーとキャッシュリッチで稼ぐ力は十分です。
2016 | 2015 | 2014 | |
売上 | 520,753 | 450,557 | 426,449 |
CF | 182,081 | 128,327 | 163,841 |
営業CFマージン | 35.0% | 28.5% | 38.4% |
配当利回りは0.29%とあまり高くありません。
CGNXのチャート
2016年から現在までの約2年間で猛烈に上がり続けてテンバガーを達成しています。
今から入るには少し勇気が必要ですね。
私なら、2年間上がり続けてるのでもうしばらく上がると思いこんで思い切ってインするでしょう。
2017年2月にAI関連のM&Aを成功させ、株価が急上昇し続けています。
今後も株価の動きに注目していきたい銘柄です。
まとめ
コグネックスは画像識別領域の老舗でポッと出のAIベンチャーなどとは異なり、業績自体には安心感があります。
一方で、現状の株価の動きは若干過熱気味なきがするので、どこかで急落する可能性もあります。
コグネックスの画像認識ソリューションはBMWやamazonなど大手の工場や倉庫に導入されており、日本においてもニトリなど先進と言われる事業者はすでに導入しているようです。
そういう意味で、今後、日本市場でもコグネックスのソリューションは徐々にメーカーや小売、物流事業者などに浸透していくことが考えられ、今の株価は通過点とも捉えられます。
知名度が低くマイナーな銘柄ではありますが、業績自体は堅調なので宝くじ感覚で少量、持っておくのもいいかもしれません。