私はAI/IoT関連のグロース銘柄を中心に投資を行っていますが、若干ポートフォリオがAI系、特に半導体系に偏りつつあります。
そこで、今まで優先度を下げていたIoT文脈での企業として、将来のポストCisco的な役割を担うであろうANETについて考えていきます。
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アリスタ・ネットワークス
アリスタ・ネットワークスは主にデータセンター用のイーサネットスイッチに強みを持つネットワーク機器の会社です。創業は2004年で、競合はこの領域の王者であるCiscoです。とはいえ、アリスタの創業者や経営メンバーは軒並み元Cisco社員のようです。
アリスタの強みは、高速、低遅延のスイッチを、低価格で提供できる点です。それを実現したのはLinaxベースのOS、専用半導体などを用いない汎用部品の組み合わせで作られたスイッチ、そして汎用部品の組み合わせなのに速く通信を制御できるアプリケーションです。
アリスタは、今までCiscoなどがブラックボックス化していたスイッチの中身をホワイトボックス化した最初の企業であり、現在ではホワイトボックス化を追従する流れができつつあります。
正直、新入社員時に応用情報技術者を取らされた時に、TCP/IPですでにゲロ吐きそうだった私にとってネットワーク機器の技術的な細部を語るのは若干、荷が重いですが、ざっくり調べたところによると、ソフトウェアベースでスイッチを作り直したところに革新性がありそうです。
一方で、印象としてソフトウェアでイケるのであれば、よほど高度な作り方をしていない限り、模倣されるリスクもあるため、どこまで強固なワイドモートとなっているかはわかりませんでした。専門家の方、いらっしゃったらどなたか教えてほしいです。
現時点では、低コストで高速、さらにソフトウェアベースでのスイッチ操作が可能で、構築の柔軟性も高いという点が市場に評価をされ、シェアを急拡大しているようで、この流れは短期的には継続するものと考えます。
市場性と成長性
タダで読める、比較的新しい市場予測を探しました。
調査会社のMarket Reserch Futreによると、世界のスイッチ市場は2023年までに年平均成長率4%で成長傾向にあると予測しています。IoT文脈でエッジのデバイスが爆発的に増える一方で、クラウドやデータセンター側のトラフィックも増加傾向にあることを踏まえると、そこそこ妥当な予測だと考えられます。
続いてネットワーク市場内のシェアの推移を見てみます。
アリスタ・ネットワークスは概ね年平均2%〜3%程度のシェア拡大を図っており、2018年以降ももう少しシェアが広がりそうです。一方で競合のCiscoは未だに50%以上と圧倒的なシェアを誇っていますが、年平均で5%程度のシェア縮小とアリスタ以外からも攻勢を受けている状況です。
ここで少し、来年の収益について皮算用してみます。
ANETの2017年通気のEPS予想が5.31$で、現時点での市場内シェアが約14%です。
仮に2017年時点での市場シェア100%を実現したと仮定した場合、ANETのEPSは37.9$になります。
そこで、その37.9$に市場成長性の平均値を104%を掛け合わせると、仮に来年のシェア100%の場合、EPSは39.4$になります。
しかし、アリスタ自体も現状の調子で行けば、市場内のシェアを押し上げることが期待できます。仮に来年の市場シェアを17%としましょう。
来年の市場規模に17%を掛け合わせると、来年のANETのEPS予測値はざっくり6.7$となります。この数値は年で26.2%のEPS成長率となり、まずまずです。
また、yahoo financeのアナリスト予想は来年のEPSで6.17$なので、上記のざっくり予測に従うと好決算連発で上方修正するサクセスストーリーも期待できます。
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オニール式株式チェック
C:四半期EPSと売上
まずは過去3期のEPS成長率です。
2017.1Qでも十分高成長ですが、2017.2Qから何かが起きたのか、異次元の成長性を実現しています。IBDのEPS ratingは最高値の99、3年間のEPS成長率も49%と驚異的です。
EPS成長率という観点では文句なく、優良グロース株と言えるでしょう。
A:年間EPSの増加
次に年間のEPS増加などをみていきます。
EPS増加率が急増したのは2016年度からで、ROEが高位安定したのが今期からのようです。
そういった意味で、今後、この高利益体質が維持できるかは注視が必要ですが、裏を返せば現段階では株価急成長の初動とも解釈できます。
チャート
最後にチャートです。
2016年から現在までで株価は5倍になっています。本格的に急成長したのは2017年に入ってからで年初から2.5倍近く上がっている状況です。
2017年12月のハイテク株の大調整を受けた後も、急ピッチで回復し、成長に裏付けされた力強さを感じます。おそらく、調整前の新高値にアタックし、そのまま上に突き抜けていく動きになると考えられるため、このあたりで入って、様子を見ていくことが良いように感じます。
まとめと投資戦略
本記事では現在急成長しているANETについて取り扱いました。技術的な中身の優位性は先行者優位を築いており、製品は市場に評価されているようですが、今後、ワイドモートをどこに築いていくかはよく観察していく必要がありそうです。
しかしながら、市場全体としては拡大基調にあることや、現状の成長力、チャートの勢からは、このままの成長路線がしばらく続きそうな期待感は十分持てると考えます。
したがって、私はかなり少なくなったAMBA、及びもしもの時の仮想キャッシュポジションと化したVYMを換金し、ANETに突っ込んで様子を見ることにします。調子が良さそうであれば、2018年上期中に買い増しを行なっていきたいです。